(2)北極海進出の足がかり

 最近、「一帯一路」に新たに「氷のシルクロード」が加えられた。北極海の融氷が進み、北極海航路への期待が高まりつつある。

 欧州への航路として、従来考えられてきたインド洋、スエズ運河を経由する航路に、日本海、ベーリング海および北極海を経由する欧州への新たな航路を加える構想である。

 同航路の安全を確保するため、日本海における解放軍のプレゼンスが必要となってきている。

 事実、2015年9月には中露演習を終了した艦艇のうち5隻がウラジオストック出港後、宗谷海峡経由、ベーリング海を行動した。中国が北極海航路に強い関心を持っている証左である。

 また、北朝鮮は沿岸海域の漁業権を中国に売り渡していると伝えられている。

 日本海における中国の経済的権益が拡大しつつあり、海外の中国権益の保護が人民解放軍の任務とされている以上、軍の日本海における活動の活発化は自明の理と言える。

(3)半島有事での米軍の作戦展開を妨害する

 朝鮮半島の核問題解決の道筋は見通せず、最近の米朝高官の発言ぶりから、2017年当時の緊張状態が再燃する可能性もある。

 米国が軍事的オプションを選択する際、日本海は兵力展開海域となると見積もられる。

 中国軍の艦艇・航空機が日本海を行動することは、これら米軍艦艇の行動を抑制し、さらには、中露軍の緊密な連携により、日本海から米国の影響力を完全に駆逐するための圧力となることが予想できる。