2019年7月27日、朝鮮戦争停戦から66年を迎えた板門店(写真:代表撮影/AP/アフロ)

「世界で今、最も戦争が発生しやすい地域はどこか」と質問されれば、「朝鮮半島であり、それもかなり切迫している」と私は答える。

 平和に浸り切っていると、国民はそんなことが起こるはずがないと思いがちだ。

 だが、隣の北の国には、武力によって赤化統一するという国是があり、そのために着々と核兵器やミサイルを開発し、侵攻のためのシナリオを完成させている。

 軍事の専門家からすれば、侵攻の可能性は極めて高く、これまでかつてないほどの危険なレベルにあると判断するのは当然のことだ。

 だが、韓国の文在寅政権に捻じ曲げられた情報に踊らされた国民は、現在迫っている脅威に目を背け、対日批判に邁進している。

 韓国国家や国民の命運が危険に晒されるかもしれないのに、北朝鮮の脅威に目を向けようとはしない。

 今の韓国の政権と国民の動きを見ていると、グリム童話にある「ドイツ・ハーメルンの笛吹き男」の話を思い出す。

 笛吹き男が、町に大繁殖したねずみを川に誘導して溺死させた。その後、町の子供たちが笛の音に引きつけられて、どこかに連れ去られたという話だ。

 この物語について、ドイツの職のない若者たちが、弁舌巧みに誘われ、ポーランドに連れていかれたという研究がある。

 日本でも同様の話がある。1950年代から「北朝鮮は地上の楽園である」という宣伝に騙されて、多くの在日朝鮮人が北朝鮮に渡り、悲惨な生活を余儀なくされたという事実である。