日本の安全保障に与える影響

 冷戦時代、日本海は旧ソ連対応の最前線であり、ウラジオストックから太平洋に展開するソ連の艦艇などを監視するため、海上自衛隊は宗谷海峡と対馬海峡に常続的に艦艇を配備するとともに、海峡監視用の装備を整備していた。

 冷戦が終結し中国人民解放軍の活動が活発化するにつれ、南西諸島重視が叫ばれ、防衛装備品や基地などの整備が進み、それにつれ、日本海における兵力装備も南西諸島に振り向けられている。

 このため、日本海方面における自衛隊の即応能力低下が著しい。

 日本の安全保障上、中国軍の艦艇・航空機の活動の活発化が及ぼす影響は、次のとおりである。

 第1に、警戒監視海域の拡大に伴う兵力不足である。

 中国軍の艦艇・航空機の日本海における活動が活発化しつつあるとはいえ、活動の主体は東シナ海および西太平洋である。

 従って、南西諸島における警戒監視体制および初動対処能力は維持、拡充せざるを得ない。そのような中で、日本海における体制を整えることは容易ではない。

 防衛計画の大綱によると、海上自衛隊は兵力の質的向上に加え、量的向上を求め、新たな艦種である「哨戒艦」12隻を導入するとしている。

 現時点で哨戒艦の大きさは1000トン前後と見られている。

 日本周辺は世界的に見て、天候が荒れることが多く、特に冬季の日本海の荒天に1000トン程度の大きさの船が耐え得るか危惧される。30新艦艇を含め、大型艦艇とどのように役割分担するかの検討が必要であろう。