竹島周辺における日韓の対応状況の確認および日本海におけるロシア軍の存在感誇示がその目的と推定できる。

 この中露共同軍事演習は当初、対テロを主目的として開始されたが、次第に、日米韓を敵にした対潜戦や陸上兵力の揚陸といった実戦を想定した高度な訓練に移行している。

 これらの演習を通じて、両国は戦略的パートナーシップを深化させている。

中国軍の日本海進出意図

 中国軍が日本海に進出するのは、領土拡張の布石、北極海進出の足がかり、さらには半島有事の際に米軍の作戦展開を妨害するための準備行動であると考えられる。以下の3つについて詳細に説明する。

(1)領土拡張の布石

 習近平主席は「中華民族の偉大な復興」を国民にアピールしている。中国が最大勢力を誇った時代のように、勢力を拡大しようという意図なのだろう。

 中国には歴史的に、国土の境界を示す国境とその影響範囲を示す「戦略辺境」の概念がある。

 戦略辺境は、国力が強まれば広がり、国力が弱まれば縮小する。歴代中国王朝の中で最大の版図を誇ったのは「清」時代である。

 現在ロシア沿海州地域は、清の戦略的辺境にあたり、1860年の北京条約まで現在のウラジオストックは清国領であった。

 現在はロシア領となり、その後、中露国境は確定している。

 現在の中国とロシア沿海州の関係は、名目的には戦略的パートナーシップの関係である。

 将来、中国企業などのロシア沿海州への投資を増加すれば、権益保護や旧権益回復を名目とする人民解放軍の活動が求められてくるであろう。現在の活動はそのための布石と見られる。