タッチタイプ、あるいは「ブラインド・タッチ」とは、文字通り、手元のキーを見ないで打つ操作にほかなりません。

 キーを見てしまうと「3つ」よくないことがあります。

1 遅くなる
2 不正確になる
3 作業自体の品位が落ちる

 今この原稿も、私は、話すスピードより少し早い程度の調子で打っています。こんなこと、いちいちキーを見ていたらできません。

 また、よく分からないキーボードを目で見ながら打っていると、間違いやすくなります。

 さらに、打つべきキーを探すということは、その間、打っている内容と全く関係ないことに気を配るわけですから、仕事に集中していない。

 つまり気を散らしていることにほかなりません。不注意に経理の文書など作れば、ミスが混入して当然です。

 東京大学に入学してきたばかりの1年生諸君には、タッチタイプを習得しているかいないかで、4年間に可能な知的生産が少なく見積もって数十分の1、下手すれば正味で100~1000倍という違いになると、大げさでなく説明します。

 これはウソでも何でもなく、いま一般の大学を卒業する学生さんは、5枚、10枚というリポートを書くことがなかなかできません。

 修士論文は理系では50枚程度で書いてもらう場合が多いかと思いますが、能力が低いと、STAP細胞詐欺のように、レビューをコピーペーストしてきたりする人もいる。