この際、特に非物理打撃の分野の領域横断を邪魔してはならず、物理・非物理打撃の指揮・統制のためにAIなどの出番があるのだ。

 前出、ハリス元太平洋軍司令官(海軍大将)は「陸軍が船を沈め、人工衛星を無力化し、ミサイルを撃ち落とし、部隊を指揮統制する能力をハックしたり、妨害できなければならない」と述べていることがクロスドメインの一例である。

 ここに出てくる地上装備は、対艦ミサイル、対空ミサイル、そしてサイバーを含むEW、HPMW兵器であり、まさに物理・非物理打撃の組み合わせである。

(3)それでは、日本にゲームチェンジャーを5年の内に装備化することは可能なのだろうか。

 レールガンは10年以内に日本単独で装備化することはできないだろう。

 また、レーザ兵器は電源の問題よりも、大気中をパワーを拡散しないで一瞬のうちに敵を撃破する技術突破が問題であることから、実用化には少し時間がかかるだろう。

 ただし、宇宙空間での装備化は進むだろう。

 サイバーは国策として取り組むべきである。米中露や北朝鮮にすら大きく水をあけられており、国内法も含め国として決断しなければ進展は望めないだろう。

 一方、ロシアが装備化している「車載EW」と「車載HPMW」は5年以内に日本が実現できるゲームチェンジャーである。

 EWは照射している時だけ有効であるが、低出力で衛星までも妨害が可能である。