ロシアから日本に入ってくる原油は、ソーコル原油(サハリン-1原油)/サハリン・ブレンド原油(サハリン-2原油)/ESPOブレンド(シベリア・極東産原油)の3種類です。

 “ソーコル原油”は日本では“ソコール”の名前で登録されていますが、正しくは“ソーコル”です。

 サハリン-1プロジェクトでは生産施設と生産物に鳥の名前を付けることになっています。

 ロシア語の“ソーコル”とは“鷹”の意味ですが、“愛しい人”という意味もあります。すなわち、“ソーコル原油”とは文字通り苦節30年の“私の愛しい原油”になります。

 日本の原油輸入量の約90%は中東原油、85%はホルムズ海峡を通過しています。最近、米国・イランの関係悪化により、イランのロウハ二大統領はホルムズ海峡封鎖を示唆しました。

 日本の原油輸入に占めるイラン産原油シェアは、ロシア産原油とほぼ同じ5%です。日本の石油会社は今年10月以降イラン産原油の輸入停止・削減を検討していますので、イラン産原油の代替原油を探さなければなりません。

 筆者は、量的には既存契約範囲内の増量で手当て可能と推測しますが、問題は原油の性状です。日本の石油会社の中にはイラン産原油を必要としている会社もありますので、そのような会社は代替原油の輸入に苦労することでしょう。

 ご参考までに、日本が輸入しているイラン産油種は以下のとおりです。

(出所:資源エネルギー庁統計資料より筆者作成)