深化する露・中エネルギー協力関係
V.プーチン大統領は2012年12月の大統領年次教書にて、「21世紀には、ロシア発展のベクトルは東方に向かう」と演説し、東シベリア・極東開発構想を温めていることを表明しました。
中国石油企業はロシアの石油会社と原油長期輸入契約を締結しており、ロシアから中国向け主要原油輸出ルートは以下の3ルートです。
・ロシア極東のスコボロジノから中国大慶までのESPO支線パイプラインルート。
・ロシア極東沿岸のコズミノ出荷基地から、タンカーにて中国向けに出荷。
・ロシアからカザフスタン経由、中国向けパイプライン輸出ルート。
ロシアから中国向け原油輸出量は過去15年間で17倍になり、2016年以降、中国にとりロシアは最大の原油供給国になりました。
原油は主にESPO(東シベリア~太平洋)パイプライン支線と極東コズミノ出荷基地からタンカーで中国向けに輸出されています。2020年までには、同パイプラインの年間輸送能力は現行5000万トンから8000万トンに増強される予定です
ESPOに接続される2本の中国側支線(モヘ~大慶原油パイプライン)は現在2本稼働しており、年間輸送能力は計3000万トンです。
すなわち、8000万トンに増強後、3000万トンは支線パイプラインで中国大慶に、残り5000万トンはコズミノ出荷基地からタンカーで世界中に輸出されることになりますが、タンカー輸送原油も今後ますます中国向けが増えることでしょう。
“シベリアの力 ① ② ③” 概観
ロシアのガスプロムは2019年12月20日、“東ルート”(シベリアの力 ①)パイプラインで中国向けに天然ガスを輸出開始予定です。
ガスプロムと中国CNPC(中国石油集団)は2014年5月21日、30年間(ピーク時供給量年間380億m3)の長期供給契約に調印。
ガスプロムは7月末、“東ルート”(シベリアの力 ①)は全線2156キロのうち、2018年7月末現在で既に2000キロ(93%)建設済み、2018年末に完工予定と発表しました。