両者は2008年、北朝鮮経由の天然ガスパイプライン建設構想で合意、建設協力覚書(MoU)を調印。北朝鮮も自国領土内のトランジットP/L建設を承認しました。
その後、2011年8月24日に故金正日総書記がロシア極東(ブリヤード共和国の首都ウラン・ウデ)訪問の際、D.メドヴェ―ジェフ大統領と新規に1100キロの天然ガスパイプラインを建設して、年間100億m3の天然ガスを北朝鮮経由韓国に輸出することで原則合意。
天然ガス供給源はサハリン、1100キロのうち700キロの北朝鮮経由トランジットパイプラインを建設することでも合意に達しました。
しかし2011年末の総書記死去と北朝鮮核問題でこの構想は頓挫してしまいましたが、今まさに、再度この構想がスポットライトを浴びることになろうとしております。
韓国の文在寅大統領は2018年6月21日に訪露、22日にプーチン大統領と会談後『共同声明』と『覚書』を発表して、共同記者会見を開催。北朝鮮経由韓国向け天然ガスパイプライン建設構想は『共同声明』第15項に、以下の通り明記されています。
「ロシアと韓国は、ロシアから韓国向けに天然ガスをパイプラインで供給すべく、共同研究を実施することで合意した」
韓国は日本同様、天然ガスを全量液化天然ガス(LNG)で輸入しており、再気化したガスをパイプライン網で国内に供給しています。
サハリンからウラジオストクまで約1800キロの天然ガスパイプラインは2011年9月に完工。
北朝鮮経由サハリンと韓国が接続されると、気体としての天然ガスが直接輸入可能となり、LNGよりも安い天然ガスが供給されると、韓国のガス化学産業は国際競争力を高めることになるでしょう。