パイプライン建設が終了すると全線を検査して、検査後にラインフィル(パイプラインに天然ガスを注入する作業)を行い、2019年12月20日から中国向け天然ガス輸出を開始予定です。
ガスプロムと中国CNPC間で調印された契約によれば、最初の5年間で徐々に輸出量を増やし、6年目からピーク時年間輸出量380億m3に達することになっています。
なお、供給源のサハ共和国チャヤンダ・ガス田のピーク時年間生産量は250億m3なので、隣接するイルクーツク州コビクタ・ガス田を探鉱・開発して、同ガス田から800キロの天然ガスP/Lを建設してチャヤンダ・ガス田と接続しないと、この年間380億m3輸出は達成不可能です。
ガスプロムのA.ミーレル社長は2018年6月8日、中国CNPCと下記3方向で露から中国向け天然ガス供給を検討しており、今後、“シベリアの力 ③”も検討開始すると述べました。
“シベリアの力 ①”(東ルート) アムール州ブラゴヴェーシェンスクから中国
“シベリアの力 ②”(西ルート/アルタイP/L)アルタイ共和国から中国
“シベリアの力 ③”(極東ルート) 沿海地方ダルニェレチェンスクから中国
露から中国向け天然ガスP/Lルート(3方向で検討中)
ガスプロム/北朝鮮経由韓国向けパイプライン建設構想に言及
既報の通り、米朝首脳会談がシンガポールで2018年6月12日に開催されました。
今後の進展いかんではありますが、仮に北朝鮮を巡る情勢が好転すると、極東ウラジオストクから北朝鮮経由韓国向け天然ガスパイプライン建設構想が再度脚光を浴びることになると予測します。
ロシアから韓国に天然ガスを供給する構想は既に2006年、ガスプロムと韓国ガス公社(KOGAS)の間で合意済みにて、輸送路を中国経由/北朝鮮経由/海底パイプラインにするか別途検討することになっていました。