プーチン大統領、第4期目大統領に就任
モスクワのクレムリンで2018年5月7日モスクワ時間正午(日本時間午後6時)、ロシアのV.プーチン大統領(65歳)の新大統領就任式が挙行され、プーチン現職が第4期目の大統領に就任した(任期2024年まで)。
プーチン新大統領が就任式演説後、演台から降りて最初に握手した人はロシア正教会モスクワ総主教キリル1世(71歳)、2番目はドイツのG.シュレーダー前首相(74歳)、3番目がD.メドベージェフ首相(52歳)であった。
この光景からも、プーチン大統領とシュレッダー前首相の揺るぎない親交が窺える。独露関係はこの2人の信頼関係を軸にして、今後も展開していくのだろう。
本稿では新内閣陣容を概観し、第4期目プーチン政権の課題とエネルギー政策を概観する。
結論から先に述べたい。プーチン大統領の目標は「強いロシアの実現」であり、2024年までに世界の5大経済大国に入ることを宣言。石油・ガス依存型経済構造から脱却して、デジタル経済(IT産業)の発展を目指している。
これは余談だが、今回の就任式で筆者が一番驚いたのは、クレムリン内部を移動する時、従来のメルセデス・ベンツではなく、ロシア国産の“カルテージ”(行列・パレードの意味)と呼ばれる見慣れない車に乗り、数百メートル移動したこと。
筆者は旧ソ連邦時代の最高級車“ジル”を想起した。
もう1つ驚いた点は、元首が乗る車は通常フロントのナンバープレートを外しているが、ナンバープレートが付いていた点。クレムリン中庭での試乗なので、外す必要がなかったのかもしれない。
メドヴェ―ジェフ首相再任とロシア新内閣の陣容
ロシア憲法に従い、新大統領就任と同時に内閣は解散され、プーチン新大統領は同日、ロシア下院(国家院)に対し、D.メドヴェ―ジェフ前首相を首相候補に指名した。
首相候補は下院(450議席)の過半数の賛成を以って承認される。議席の4分の3以上を占める政権与党(統一ロシア)は翌8日、賛成374票、反対56票で首相候補を承認。
メドヴェ―ジェフ前首相の続投が決まり、18日には内閣全容が固まったので、今後の見どころは各省庁の次官と長官人事、および露大統領府人事に移る。