これまで無数の予想が提唱され、証明されたり、反証されたり、あるいはまだ解かれずに残ったりしています。有名なものに「ポアンカレ予想(解決済)」「フェルマーの最終定理(解決済)」「P≠NP問題(未解決)」などがあります。いつか、紹介する機会があるかもしれません。

 さてABC予想です。これはどのような予想なのでしょうか。いくつか表現方法がありますが、そのうちの一つは次のようなものです。

*配信先のサイトでご覧の場合、数式が崩れて表示される場合があります。正しくは、http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/51974でご覧ください。)

 正の整数AとBの和をCとします。つまり

A+B=C

です。

 正の整数は、素数のべきの積に「素因数分解」することができます。例えば15ならば

15=3×5

4ならば

4=22

という具合です。

 AとBは、このような素因数分解を施したとき、共通の素因数を持たないように選んでおきます。

 例えば

A=4、B=15

という組み合わせです。

 このような、共通の素因数を持たないAとBは「互いに素」だといいますが、別に覚えなくてもここでは差し支えありません。

 一方、例えば、

A=4、B=6

という組み合わせは、共通の素因数2を持つので、今回の考察の対象外です。