歴史とはつまり勝者の歴史である。敗者の立場で書かれた歴史はほとんどの場合、書き残すことが認められてこなかった。また、歴史はたいていの場合、男の歴史でもあった。

弱者、敗者が語る歴史には要注意

今週のランキング
順位 タイトル
1 アップルの一撃でサムスンが底力発揮?
2 韓国電力が天文学的赤字、政府機関を告訴へ
3 過剰供給のツケに苦しむ中国企業
4 冷静に正確に着手したい日中海戦のシミュレーション
5 中国依存指数:ティーンエイジの苦悩
6 安保連携に支障をきたす韓国の暴走
7 日章旗強奪と天皇発言:自らを鍛え直す好機
8 尖閣諸島の領有権問題を国際司法裁判所に提訴せよ
9 部品メーカーが「沈む船」から脱出?
10 クリステンセン教授も見通せなかったスマホ登場のインパクトと栄枯盛衰
11 日本半導体のラストチャンス、半導体業界にパラダイムシフトが起きる!
12 平和ボケした日本人に鞭を振るった韓国大統領
13 日本の技術だけでは、もう生き残れない
14 オバマ大統領はなぜ内視鏡ではなくCTで大腸検査を受けたのか?
15 中国の若者には「お祭り」が必要だ
16 大学の同期・先輩後輩を売り物にする不届きな輩
17 共和党全国大会で完璧に「無視」、どんどん忘れられていく日本
18 中国の銀行に貸し倒れ増加の兆し
19 世界が欲しがる救難飛行艇「US-2」
20 南太平洋でも襲撃されていたチャイナタウン

 もう38年も前のことだから記憶は定かではないが、大学入試に失敗して駿台予備校に通っていたとき、上智大学の講師による「女が作った歴史」という授業を受けて、とにかく感銘を受けたのを覚えている。

 受験用の覚える歴史とは全く違って生々しいだけでなく、見る位置を変えると歴史はこんなに違って見えてくるものだと、目から鱗が落ちる思いだった。

 大学、大学院と理系に進んだが、父親や大学の指導教授などの大反対を押し切って出版社に入社したのは、あの歴史の講義が相当影響していたのではないか、と思うときがある。

 さて、竹島や尖閣諸島の問題がこのところ喧しい。なぜいまなのか。

 日本と韓国、中国のパワーバランスが崩れてきたためだろう。韓国の李明博大統領の日本を見下した発言がまさにそれを象徴している。

 強い者が書いた歴史は確かに正しいとは限らない。しかし、弱い者が語る歴史も事実と反している場合がある。

 いやむしろ、事実が捻じ曲げられている度合いはその方が高いと言える。加えて陰険で執拗な場合が多い。

 迫害を受けた側はヒステリックになりがちなのはやむを得ない。そして、条件が整い公にしても構わないとなれば、事実以上の迫害を受けたように喧伝したがるものだ。

 実は最近、日本人が主人公のそんな例を示唆されて非常に深く考えさせられたことがあった。場所は米国のワシントン州シアトルである。