恋愛の場合は、最初から「多店舗展開」を前提に特定の人とつき合うことは、あまりないかもしれませんが、結果的には恋愛力を高めることになるように思います。店舗の展開も同じように、初めは無我夢中で、普通は多店舗化するという意識はないことがほとんどであると思います。
最初の店で工夫しているうちに商売が軌道に乗って、これなら2号店ができそうだということで店が増えていくのでしょう。1人の異性と深くつき合って、異性としての特徴を理解できるようになれば、その後、多くの異性とつき合いやすくなります。まずは「1つの井戸を深く掘る」ということです。
「性欲バブル」に負けるな!
とかく男性は性欲に負けてしまい、誰でもよい状況になってしまうことになり得ます。特に、精子が貯蔵タンクにいっぱいになり、古い精子をはき出したいという欲求が高まっている状況、あるいは性欲の度合いが最高潮になる年齢(20代後半前後)では、性欲に負ける可能性は高いです。
性処理に対する欲求が強いと、性的関係を持たせてくれる女性と長期的に保有関係を持ってもいいというふうに考えがちです。近くにいる性処理を可能にする女性と、遠くにいる理想ではあってもプラトニックな関係の女性では、前者を重要視してしまうことになる。
性欲が勝ち過ぎていると、自分より資産価値が低くともセックスができることに価値がある女性に手を出してしまう可能性が高くなるということです。
これは、男性が共通して持つ性(さが)と言えなくもありませんし、実際に多くの男性が性処理を目的として結婚してしまいます。この「性欲バブル」に勝つにはどうしたらいいのでしょうか?
まず、性欲と恋愛とは別物であるという認識が必要です。相手のことはセックスの対象なのか、セックスしなくても長く一緒にいることができるのかを考えるべきです。もしセックスが最大の目的であれば、短期保有と割り切って、自分の理想の相手を別に探すべきです。
倫理の問題ですが、セックスができる女性と同時進行で、より資産価値の高い女性を求めても仕方がないのかもしれません。
次に重要なこととして、結婚を念頭に置く年齢にあって恋愛感情を抱くのならば、長期保有の結婚向きの相手の中から恋愛感情を抱く相手を見つけることです。好きになってしまった後では、引き返すことができません。
男性の場合は、いったん好きになってしまうと恋愛バブルと性欲バブルの両方になってしまいますので、結婚に不向きな女性と思っていても結婚したくなってしまいます。男性も女性も、恋愛に向いている人、結婚に向いていない人というのが存在します。
しかし、いったん好きになってしまうと相手が見えなくなってしまう。ですから、見えなくなって自分を失う前に、結婚向きの女性がいる市場に参入することが必要です。
結婚にはメリット・デメリットが様々です。結婚は出発点であり、終着点ではないとよく言われますが、恋愛バブル感情を経由して結婚に至る以上、結婚は男性にとってほとんどの場合、終着点です。
どんなに他人に出発点だと言われても理解できません。結婚して初めて分かるものです。とはいっても、結婚のメリットが愛情や定期的セックス以外にも存在することを確認することが重要です。
恋愛感情に頼り切りになってしまうと、磨耗してしまいます。家庭を築きたい、その女性との間に子供が欲しいという欲求があることが結婚への最低条件になります。
恋愛感情が子供をつくらせるための情動である以上、好きになったということはその女性との間で子供が欲しいと感じたということです。どんな子供が欲しいのかという点をもう一度考えて、性処理の欲求に負けないようにしていただきたいものです。
■これまでの連載とこれからの予定
- プロローグ 恋愛も市場原理に支配されている
- 第1章 市場メカニズムから見た恋愛
- 第2章 男の持つ資産価値の話
- 第3章 「恋愛均衡説」から恋愛を考える
- 第4章 恋愛市場の分類
- 第5章 男の身体構造から恋愛を知る
- 第6章 女の身体構造から恋愛を知る
- 第7章 恋愛市場と結婚市場で成功する戦略
- 第8章 浮気市場、この特異な市場を知る
- 第9章 恋愛と結婚