ここまでに、幾度か、恋愛、結婚、浮気という3つの言葉の後ろに「市場」という用語を使ってきました。この3つは同じような市場で取引されるもののように思えますが、実際には大きく異なるものです。
各々の市場に参加する人も違えば、望まれる資質も異なります。この章では、恋愛が行われる市場を分類することによって、各々の市場の性格について総合的に解説したいと思います。
「恋愛市場」「結婚市場」「浮気市場」
恋愛感情に基づいて取引される市場は、大きく分けて、お互いを中期保有する「恋愛市場」、長期保有を原則とする「結婚市場」、及び短期保有の「浮気市場」の3つに分類されます。
例えば、5対5の合コンをしたとしましょう。その場合、みなさんの状況によっては、恋愛市場、結婚市場、浮気市場の3つに同時に参入したことになります。
もし素敵な恋人が欲しいと思えば恋愛市場に入ったことになりますし、その先に結婚が視野に入っていれば結婚市場、もし恋人が既にいて合コンで短期的な浮気相手を求めるのであれば浮気市場に入ったことになります。
もちろん、鏡の反対側のように合コン相手も全く同じことを考えています。この状況で男女が同じ市場に入ったと考えているならば問題ありませんが(例えば両者ともに結婚市場の場合とか)、一方が結婚相手としてのつき合いを望み、他方が浮気相手として相手を考えるようならば、話がややこしくなります。
しかしながら、お互いが宣言し合って合コンするわけではないので、お互いの腹の探り合いは当然、言葉の端々や何気ない仕草で相手の意図を理解しようとするのが、合コンのルールなり必勝法というものなのです。
市場の特性を理解しないで自爆する若者
ところが腹の探り合いが下手な若者の中には、合コンという場が白けるのが嫌なあまり大声ではしゃいだり、普段とは異なるキャラを露出したりして自爆するケースが散見します。
後述するように、3つの市場では求められるべき資質・資産が異なるので注意が必要です。各々の市場特性を知っておくことは、自分を高く売るためには必須です。
しかし実際には、多くの人が違いを十分に理解していないことから、自分を「安売り」したり、「高値つかみ」に陥ったり、トンチンカンな企業努力をしたり、結婚市場では全く売れないが浮気市場ではモテモテ、あるいは浮気のつもりが本気になられたり、といったように、恋愛の理想と現実とがかみ合わない事態になることもしばしばです。