前回は結婚をしようと考えた時、異性がどのような点に着目しているのかを詳しく見てきました。意外なことに、女性でも男性でも異性に対して求めているものはほとんど同じでした。今回は、恋愛の帰結として考えられている結婚に、どのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。メリットがあれば、当然、デメリットもあります。
結婚のメリットとデメリット
結婚は便宜的に人間が作り出した社会制度です。社会制度は時代の要請に従って変えることが容易にできます。他方、私たちの遺伝子は生来的で変えることが大変難しく、遺伝的特性が普遍的に広がるには何万年もかかります。
私たちの遺伝子にとって都合が良いように社会制度も変化しているものなのですが、しばしば社会的に要求されたものと遺伝的な欲求との間に適応齟齬が生じている場合があります。結婚もその1つで、一長一短。
結婚には良いところもあれば悪いところもある。このような結婚の損得について明確にしておくことが、婚活につながります。
まずは結婚のメリットから。少なくとも4つの大きなメリットがあります。
第1の利点は相手の独占的保有とセックス
第1は、相手の独占的保有です。お互いを中期保有する恋愛では独占的な保有と定期的に行われるセックスの2つが主なメリットですが、長期保有である「結婚」においてもこの2つは重要なリターンです。
夫婦になると一緒に住みますので、独占的保有とセックスは時間的・場所的制約を一切受けることなく行うことが可能です。
一夫一婦制に基づく結婚は、お互いを所有し合い、浮気をお互いしないと明言する社会制度ということになります。好きという感情は「自分の」子供を産ませる感情である以上、セックスを行うことは必然ですが、浮気をせず(させない)独占的かつ排他的関係を社会的に認めさせることは必要です。
男女ともに浮気願望は強いのですが(浮気市場の章で詳述)、男女どちらの方がより浮気願望があるかと言えば、おそらく男性の方であることから、男性を縛るための社会制度ということが言えます。