他方、女性の方は、食事なら半数の女性がオーケーとなっていますが(これはかなり高い数字に思えるのですが)、アパートに行くのは6パーセント(これもすごい)、しかし、セックスに至ってはゼロです。
切羽詰まると誰でもよくなるのが男性
従って、女性と知り合った場合の男性の目的は実に明確、まず相手がセックスするに値するのかどうか(つまり繁殖行為ができるほどに勃起させてくれる相手であるのかどうか)、もし十分に魅力的であれば、究極の目的は、繁殖行為、つまりセックスであるのです。
食事 | アパート | セックス | |
---|---|---|---|
男性がイエスと答えた割合 | 50% | 69% | 75% |
女性がイエスと答えた割合 | 50% | 6% | 0% |
2つ目は、ブライアン・グラデューとジーン・ディレイニーというノースダコタ州立大学の心理学者が行った実験です。一言で言えば、男は切羽詰まってくると誰でもよくなるという話です*3。
グラデューとディレイニーは、学生がよく行くようなバーというかディスコというか、若者が踊ったりナンパしたりする場所に行って実験を行いました。
彼らは魅力度の異なる12枚の写真(男女6枚ずつ)を持って、お客さんに異性の写真を見せて点数をつけてもらいました。営業時間は午後9時から午前1時までの4時間ですが、そのうち、開店してすぐの9時と、2回目は10時半、3回目はラストオーダー直前の12時にそれぞれ写真を見せました。
すると、どういうことが分かったかというと、女性の場合は3つの時間帯でほとんど点数に変わりがなかったのですが、男性の場合は時間が経つにつれて(閉店が近づくにつれて)、点数が甘くなっていくわけです。
最低限の魅力があれば妥協してしまう
お酒の影響なのでは? と思いがちですが、アルコールの量と点数の甘さとは相関関係がないことが分かりました。点数が甘くなる原因は、男性は切羽詰まってくると、女性への評価が甘くなるということです。
また、この実験では、魅力度の低い女性の写真は、閉店が近づくと点数が余計に辛くなり、魅力度の高い女性は点数が甘くなるということも分かりました。点数が高い方と低い方に二極化するということらしいです。
恋愛の場面に応用すると、女性はどんな状況でも相手への質的妥協はそれほどしないのでしょうが、男性の場合は、最低限の魅力を持っている女性に対してならば、妥協して恋愛してしまう可能性が高いということになります。
時間や資源に限りがあって恋愛願望の強い人、特に性処理に困っている男性は、切羽詰まってくると(無意識のうちに)大変な妥協をしてしまうのですが、この男女の差異は決定的です。
*3= Brian A. Gladue and H. Jean Delaney. “Gender Differences in Perception of Attractiveness of Men and Women in Bars”. Personality and Social Psychology Bulletin. 1990 16: 378-391.