またわが国の第1子の出産年齢層は30代前半と20代後半がほぼ同じですので、この仮説の傍証になっています。
性処理の観点からこの図表を見ると、性欲があるところに浮気を中心とした性処理が存在すると言えます。本来ならば、男性の浮気のピークは20代後半、女性の浮気のピークは30代前半となるはずです。
しかし、願望はそうであっても、男性の場合は浮気をするだけの財政的余裕、女性の場合は浮気相手としての需要と供給の観点から鑑みなければならないはずです。
つまり、男性の浮気率は年齢とともに上昇し、ピークは30代や40代となっていることでしょうし、女性の浮気年齢のピークは理論的なピークより若干早い20代や30代前半といったようになっているものと推測されます。
心理学の実験から「性欲」を考える
最後に、男女間におけるセックスに対する認識の決定的な違いについて、心理学者の実験を2つ披露します。この実験結果によって、さらに身体的構造が引き起こす心理的な違いが見えてくるはずです。
まず1つ目は、男性は原則、女性を見ればセックスしたいと願う、つまり性処理をしたいと願う、という傍証になる実験結果を1つ披露します。
心理学者のラッセル・クラーク博士(北テキサス大学)とエレイン・ハットフィールド博士(ハワイ大学)の2人によって発表された論文*2ですが、彼らは大学でキャンパスを歩く学生に、男女の助手(たぶんかなり視覚的に魅力な助手)を雇って、次の3つのパターンで話しかけてもらうことにしました。
(1)キャンパスでよく見かけるけど、あなたは大変魅力的ですね。今晩デートでもどうですか?
(2)キャンパスでよく見かけるけど、あなたは大変魅力的ですね。今晩私のアパートに来ませんか?
(3)キャンパスでよく見かけるけど、あなたは大変魅力的ですね。今晩セックスしませんか?
男女ともに同じ問いかけをしたのですが、その結果は次のページの図のようになりました。話しかけた時間は1分程度でしょうから、男性は一瞬で相手を判断して、セックスしたいとまで思ったということです。
面白いのは、男性の場合は、食事よりもアパート、アパートよりも単刀直入な性行為の方がイエスと答えた人数が多いということです。男性は直接的な行きずりのセックスでも全く問題なく受け入れられるのです。
*2=Clarke, R.D., & Hatfield, E. (1989). Gender differences in receptivity to sexual offers. Journal of Psychology and Human Sexuality, 2, 39-55.