超短期的関係、つまり性欲のはけ口としてお金を出して浮気をするような場合にはコストは低くて済みますが、性欲に負けて結婚にまで至ると、その場合に支払わなければならないコストは多大なものになることを覚悟しなければなりません。

第5章の教訓

 男の身体構造はご理解いただけたと思います。遺伝子レベルでの欲求と現実の社会制度として求められる要求の違いについても焦点を当てました。これらを総合してモテ術に応用できる点が出てきます。主に2つ述べます。

1人の女性ととことん交際する

 女性とはどういう性質の人間なのかを知る必要があります。恋愛経験が少ないと、男女が同じ生き物と思ってしまいがちですが、女性は男性とは全然違います。ジョン・グレイの本に『男は火星人 女は金星人』というものがありますが、それくらい別世界の人間と思った方がいいです。

 表面的なつき合いだけでは、女性の本質を知ることは難しいです。1人の女性ととことんつき合い、女性はどんな動物かを知る。恋愛は、1人の女性と深くつき合えばつき合うほど、様々なメリットが出てきます。

 例えば、深いつき合いは男女間にある構造上の差異を知るために有効です。エストロゲンの特に多い女性(理論的には胸とお尻が大きく、丸みがあってふくよかな女性)は感情的で情緒的で、男性のような合理的思考や勝負へのこだわりが理解できないし、無駄な会話が好きだし、愛していると常に言ってほしいものです。

 セックスの後も身体に触れていてほしいし、28日周期で気分も性欲も変わってしまう。1人の女性と深くつき合って初めて、このようなことを知ることができます(次章にて詳しく解説します)。

 他方、女性も、男性が合理的・論理的思考を有しており、人にものを尋ねることを嫌ったり、集中しているとほかの一切が見えなくなったり聞こえなくなったり、無意味なウインドーショッピングが嫌いで、セックスの後は体が触れるのを極度に嫌い、セックスを重ねるごとに愛情が冷めていくといったことは、1人の男性と深くつき合わないと知ることができません。

 また、セックスは数をこなすほど上手になるもので、1人の女性と100回する方が、100人の女性と1回ずつするよりはるかに上手になれます。女性の性感帯は深くつき合わないと教えてくれなかったり開発されなかったりしますので、深い関係によって多くを学ぶことができるのです。

 経営戦略でも同じことが言えます。チェーン店を展開する時、最初の1店目をとことん工夫して良いものをつくり上げておけば、あとは同じものを次々と増やしていくだけとなります。まずは1番目の店の完成度を上げることは必要条件です。