米国から火がついた旧車ブーム
こうした自動車メーカー各社が海外市場を含めてヘリテージパーツの拡充やレストア事業の構築を急いでいる背景には、米国の通称「25年ルール」が深く関係している。
米国では1989年、主に欧州から輸入されるクラシックカーへの衝突安全規定への対応が不明瞭だったことを受けて、輸入車セイフティコンプライアンス法を制定。新車製造から25年以上経った旧車を対象とした。これに連動して、一部の州では排気ガス規制に対しても旧車に対する規制を緩和した。
こうしたルールを、1980年代から2000年代前半の日本からの輸入車に適合することで、日本からの旧車輸入が一気に増えた。
人気の理由は、映画「ワイルドスピードシリーズ(米国題「ファスト&フューリアスシリーズ」)」の影響だ。2001年に公開された同シリーズ初作は、1990年代末から2000年代初頭に米国カリフォルニア州で火がついた日系チューニングカーブームをモチーフにした作品だ。
その当時に20代だった日系チューニングカーファンが今、当時を懐かしんでハイパフォーマンスな日本の旧車を大人買いしているのだ。
一方、日本でも現在の20代や30代が昭和を懐かしむようなトレンドがあり、旧車ブームの新たなる客層になっている。
1970年代の日産販売店を懐かしむ展示。後方に「チェリー」を展示(写真:筆者撮影)
そんな日米でのブームによる日系旧車の需要急拡大に応じて、日本での旧車価格は高騰している。
果たしてこのブームがいつまで続くのか。またブームの反動で、旧車価格がこの先、急激に下がることはあるのか。
日系旧車はいまだにブームの真っ只中。そのため将来の市場を予測することは難しい。



