究極的には「1勝9敗でも勝つ」
こうした「ルールベースのトレーディング」を試したことがある方々は既にお気づきかもしれませんが、BO&TF戦略をいざ実行に移すと、当初はどんどん「負け」が込んでいきます。これはBO&TF戦略の特徴で、ルールに従い日々の売買を繰り返していくと細かい損がどんどん積みあがっていきます。そして、時々訪れる大きな「トレンド」にしっかり乗りきり大きなリターンを出すことで「トータルでプラス」となるのが、典型的なBO&TF戦略の「勝ちパターン」となります。
極論すると、トレードの勝率は2勝8敗、もっと言えば1勝9敗でも、長期的にプラスを確保するのがBO&TF戦略の目指すところになります。一方で、デイトレのような短期売買を繰り返すトレーダーの中には、6勝4敗や7勝3敗といった比較的高い勝率にもかかわらず、トータルでの成績があまり芳しくない方もいらっしゃるのではないでしょうか。中には「ほとんどのトレードで勝っている」にもかかわらず、トータルでは負けてしまう方もいるのではないでしょうか。そんな人が決まって言うのは、「あの取引がなければ」という嘆き節です。
勘のいい方はもうお気づきかもしれませんが、こうした勝率の高い「7勝3敗」のトレーダーたちは、BO&TF戦略のトレーディング・システムと真逆の動きをしているのです。つまり、小さな利益をたくさん積み上げていくのに、そうした利益を一気に吹き飛ばす「大きな失敗トレード」が投資成果を台無しにしているのです。
ここ数年の世界の金融市場や商品先物市場を振り返ると、金のスポット価格は間違いなく主役の一つとすることができそうです。金価格は2023年8月まで3年以上も1600~2100ドルのレンジでの推移が続き、何度も「騙し(抜けそうで抜けずに元のレンジに戻ること)」を繰り返していました。しかし、2024年3月に2100ドルのレンジ上限を「ブレイクアウト」して力強い上昇トレンドが出現し、その後は押し目らしい押し目を作ることなく上昇を続け、2026年1月末には約2.7倍となる1トロイオンス当たり5595.47ドルまで上昇しました(図表5)。

そして、BO&TF戦略を採用するCTAは、金価格が上昇を始める以前の約3年間にわたり、繰り返し「細かい損」を大量に出し続けた後に、強力な上昇トレンドが出現したことにより「破格の勝利」を勝ち取ったように思われます。