CTAと機関投資家の共通点

 これまで機関投資家とは対極ともいえるCTAの代表的な取引手法(BO&TF戦略)について見てきましたが、意外にも両者には本質的な共通点があるようです。それは、両者の投資哲学ともいうべき部分で、①相場観や運用者の感情は投資判断から排除され、②あらかじめ決められたルールに従い粛々と投資判断がなされ、③徹底したリスク管理で守りを固めて相場に留まり続ける、ということです(図表6)。

 まるで、異なるルートから同じ山の頂を目指す登山隊のように、機関投資家とCTAは異なるアプローチをとりながら、同じマーケットでリターンの獲得を目指して日々活動しているように思われます。そして、彼らの投資哲学から導かれる「止まらない上げ相場」との付き合い方のポイントは、短期の値動きやニュースに惑わされることなく、長期的な視点で腹落ちする投資手法に忠実に、長期的な視点で投資を続けることなのではないでしょうか。

■まとめに

▶ 日本株の上昇相場が続いています。激しい値動きと上昇ピッチの速さに戸惑う投資家も少なくないように思われますが、こうした「止まらない上げ相場」との付き合い方を考える時、CTAと呼ばれる投資ファンドの運用手法が参考になるかもしれません。

▶ CTAは①データ重視(感情ゼロ)、②ルール厳守、③リスク一定の投資方針のもと、世界中の市場から力強いトレンドが出現している投資対象を見つけ出し、巧みなリスクコントロールで長期的にリターンを上げようとするファンドが多いようです。

▶ CTAの運用は一見すると、一般的な機関投資家とは対極にあるように見えます。しかし、感情に流されず、厳格なルールに従い、守りを固めて長期間にわたり相場に留まり続けることでリターンの獲得を目指す運用哲学・投資スタンスは、機関投資家と思いのほか共通点が多いように思われます。

※寄稿はあくまで個人的見解であり、所属組織とは無関係です。

※個別の金融商品や銘柄を勧めるものではありません。最終的な投資判断はご自身の責任でお願いします。