宇宙に行くことの意味
19世紀に『月世界旅行』を書いたSF作家ジュール・ヴェルヌは「人間が想像できることは、人間が必ず実現できる」という名言を残したとされている。この本を読めばよくわかる。「宇宙に住む」ことは、すでに想像を超えて実証に入ってきているということが。なんとなく、宇宙にヒトが住めそうな気になってくるではないか。
「宇宙に行くことは地球の課題から目を背けることではなく、むしろ地球を見直し、解決策を見出すための営みでもある」
これは、最後の第5章「より多くの人が宇宙に住む時代へ」に書かれている言葉である。膨大な資源を使って宇宙に住むということが、はたして人類にとって正しいことなのかどうか。疑問がない訳ではない。しかし、宇宙を鏡にして地球を見直すことができるとなると、話は違ってくる。
ヒトが宇宙に住むのはいつになるのだろう。そして、そのとき、宇宙に住むようになった人たちは、地球を見ながらいったい何を考えているのだろう。
仲野 徹(なかの・とおる)1957年、大阪生まれ。大阪大学医学部卒業。内科医として勤務の後、基礎医学研究に従事し、1995年大阪大学教授。2022年の定年退職後は隠居として晴耕雨読の生活。書評サイトHONZのレビュアーや、読売新聞の読書委員を務めた。
各界の読書家が「いま読むべき1冊」を紹介!—『Hon Zuki !』始まります
(堀内 勉:多摩大学大学院教授 多摩大学サステナビリティ経営研究所所長)
この度、読書好きの同志と共に、JBpress内に新書評ページ『Hon Zuki !』を立ち上げることになりました。
この名前を見て、ムムッと思われた方もいるでしょうが、まさにお察しの通りです。2024年9月に廃止になった『HONZ』のレビュアーだった私が、色々な出版社から、「なんで止めちゃうんですか? もったいないですよ!」と散々言われ、「確かにそうだよな」と思ったのが構想のスタートです。
私、個人的に「読書家の会」なる謎の会を主催していて、ただ定期的に読書家が集まって方向感もなくひたすら本の話をしています。参加資格は本好きな人という以外特になくて、私がこの人の話を聞いてみたいと思える人というかなり恣意的なのですが、本サイトの基本精神もそんな感じにしたいと思っています。
簡単に言えば、本好きという自らの嗜好に引っ張られ、書かずにはいられないという内なる衝動を文章にしたサイトというイメージです。もっと難しく言えば、カントの定言命令のように、書評を書くことを何かの手段として使うのではなくて、書評を書くことそれ自体が目的であるような、熱量の高いサイトにしたいということです。
それでまずオリジナルメンバーとしてお声がけしたのが、『HONZ』の名物レビュアーだった仲野徹先生と『LISTEN』の発掘で一躍本の世界の中心に躍り出た篠田真貴子さんです。まあ、本好きという共通点を持ったタイプの違う3人と思って頂ければ結構です。
ジャンルとしては、基本はノンフィクションで、新刊かどうかは問いませんが、できるだけ時事問題の参考になるものというイメージです。レビュアーの方々には、とりあえず3カ月に一回くらいは書いて下さいねとお願いしています。
少し軌道に乗ったら、リアルでの公開講演会とかYouTube動画配信とかもやっていきたいと思っています。出版社の方々とも積極的に連携していきたいと思っていますので、宜しくお願い致します。