タイトルで「自分に関係がある」と思わせることが大事(写真:mapo/イメージマート)
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「タイトル、見出し、キャッチコピーづくり」と聞くと、編集者やコピーライター、放送作家などといった「言葉のプロ」の専売特許で自分には縁遠い世界──。そんなふうに思っている人もいるでしょう。

ただ、一般的なビジネスパーソンもメールの件名、報告書やプレゼン資料の題名、会議の招集文、チラシやPOPにあしらう言葉など、中身よりも先に相手の目に触れる「最初の言葉」を考えています。これは「タイトル、見出し、キャッチコピーづくり」と本質的に同じ。これ次第で、印象に残るか、中身に興味を持ってもらえるか、行動につながるかなど相手の反応が変わります。

Web編集者として7000本超の記事タイトルを考案し、数万本に及ぶタイトルと反応データの分析から「短い言葉で心をつかむ法則」を体系化した『22文字で、ふつうの「ちくわ」をトレンドにしてください』(サンマーク出版)の著者・武政秀明氏が、「最初の言葉」を工夫する方法を解説します。

Webメディアで気づいた「伝え方」の重要性

 同僚や取引先との重要なメール。急ぎの依頼。新年会の出欠──。そんなとき件名に何と書いている、あるいは書かれている言葉を目にするでしょうか。

「お願い」
「ご相談」
「新年会のご案内」

 丁寧で端的。特に失礼もなく、問題があるようには思えません。ただ、受け取る側の立場で考えてみると、中身を開くまで何が書いてあるか、重要なのかどうか、いまいちよくわかりません。特に印象に残らず、閲覧や返信の重要度が下がるかもしれません。

 私は十数年にわたってウェブメディアの編集に携わり、「読まれるタイトル」のパターンを研究し、法則を発見してそれを体系立ててきました。先人が築いてきた土台をもとに、媒体の集客力やブランド力、スタッフに支えられながら、編集長として媒体全体では月間3億ページビュー(PV)という数字を経験したこともあります。

 ウェブメディアの特徴は、記事が「読まれたか」「読まれなかったか」が、すべて数字で見えることです。良いと思って付けたタイトルが思いのほか読まれず、逆に、それほど自信がなかったタイトルが予想外に多くの人に届く。そんなことが日常的に起きます。

 データを分析していくうちに、あることがわかりました。同じ内容でもタイトルの付け方次第でクリック率が数十%から場合によっては2倍、3倍、4倍以上の差が出ることもあったのです。

 なぜそんなに違いが出るのか。

 読者は、タイトルを見た瞬間に「これは自分に関係があるか」「読む価値があるか」を判断しています。判断材料が十分にあるタイトルは選ばれ、あいまいなタイトルは素通りされます。

 これをビジネスに当てはめても同じことが言えます。メールの件名、報告書のタイトル、提案書の表題。「伝え方」次第で、相手がどう受け止め、どう行動するかが変わります。