日本のEV普及で欠かせない視点

 3代目となる日産新型「リーフ」については、ベースモデルのB5が、昨年10月の発表以来、約5000台の先行受注となるなど、好調な滑り出しとなっている。

 スズキでも、同社初の量産EV「eビターラ」が1月から発売され始めた。

スズキの「eビターラ」。千葉県内にて(写真:筆者撮影)

 また中国BYDは、今夏に日本市場向けの軽EV「RACCO(ラッコ)」を発売する予定だ。

中国BYDが今夏に発売予定の軽EV「RACCO(ラッコ)」。ジャパンモビリティショー2025にて(写真:筆者撮影)

 そのほか、ダイハツとスズキ、トヨタが共同開発した軽商用のEVや、スバルとトヨタの共同開発による上級EVなどが、相次いで市場に導入される。

 こうしたEVモデルの拡充に合わせて、国のEV補助金も、昨年の日米関税交渉を受けて、最大130万円とすることで、EV普及を後押しする狙いだ。

 昨年時点で、国内乗用車市場のEV普及率は1.57%(プラグインハイブリッド車は1.63%)にとどまっている。従来、日本でのEV普及の障害として、新車価格が高いこと、満充電での航続距離がハイブリッド車などと比べて短いこと、そして充電インフラが少ないことが主要項目として指摘されてきた。

 新車価格については企業努力と補助金によって、航続距離は技術革新によって、充電インフラについても補助金の拡充やベンチャー企業の参入などによって、改善の方向にある。

 その上で、今後さらに議論が必要な点が、リセールバリュー(再販価格)だろう。

 SNSや自動車関連のメディアでは、EVのリセールバリューの低さを指摘する声が多い。自動車メーカー主催の報道陣向けの新車EV試乗会の場などでも、開発者や国内の販売担当者らは、EVのリセールバリューのあり方について危惧している。

 EVの残存価値は、現状ではバッテリーの性能評価によるところが大きい。

 だがこれからは二次流通市場(中古車市場)での実態を踏まえて、自動車メーカーでつくる業界団体・日本自動車工業会が、EVのリセールバリューについても、メーカー(生産者)とディーラー(販売者)を連携させながら、協議を進めていくことを期待したい。