EV時代の莫大な投資、「経理のプロ」に託す

 今のトヨタの稼ぎ頭はハイブリッド車だ。ただ、これは過去の努力の賜物に過ぎない。上場企業である以上、短期的な収益も追い求めなければならない中、ハイブリッド関連にさらに投資をして、そこから収益を得るのは当然の戦略だ。

 一方で、トヨタにはハイブリッド車でいつまで稼げるのかとの危機感もあり、実はEVの開発にも力を入れている。こうした領域には莫大な投資が必要になるゆえに、近氏はお金にこだわる。

「この1~2年、損益分岐台数が上昇した。どんなに外部環境が悪化しても踏ん張っていけるのかという課題が生じている」と、近氏は危機感を募らせる。こうした局面で、経理畑のプロとしての手腕が期待される。

 また、近氏はトヨタ子会社でソフトウエア開発を手掛けるウーブン・バイ・トヨタのCFOも兼務してきた。「過去の方程式」にこだわるトヨタとは経営のスピードが違うという。

「トヨタとは少し違う会社からトヨタを見ることができたのは大きい」と近氏は言う。新社長にはこうした経験知を活かした舵取りも求められる。