豊田章男会長は高市首相のブレーン?
この「日本をもっとよくすること」に関連して、トヨタは高市政権を応援するというメッセージも含まれると筆者は見ている。2月8日投開票の総選挙で、高市自民党の勝利が予想される中で、「日本をもっとよくすること」と佐藤氏が訴えたことから見ても、それは明らかではないだろうか。「高市首相の最大のブレーンの一人が豊田章男氏ではないか」(政治部記者)との見方もあるのだ。
トヨタグループの始祖である豊田佐吉氏の考え方をまとめたものに「豊田綱領」がある。その中では「産業報国」という文言がある。表現は古めかしいが、現代風に言えば、産業を発展させることで、国の発展に尽くすということだろう。「国をよくする」という発想は、トヨタのDNAとも言える。
ただ、政権にコミットすることにはリスクもある。米テスラ創業者のイーロン・マスク氏が第二次トランプ政権の発足当初に政権入りしてトランプ氏を支えたが、最後は袂(たもと)を分かった。マスク氏がトランプ氏を応援したことで、「反トランプ」側から見ればテスラは反感を買った。こうしたことも影響してテスラの25年の販売台数は前年割れとなり、EVのグローバル販売で中国BYDに追い抜かれる結果となった。
マスク氏の動きを他山の石とすれば、一企業が特定の政権を応援することにはリスクも伴うということだ。おそらくトヨタはこうした点にも留意しながら高市政権を支えることになるのではないだろうか。
続いてトヨタが稼ぐ力をさらに強化していくことについて。新社長となる近氏は経理畑の出身。豊田氏が社長時代に秘書を務めた経験から経営全体を見渡す力も付けたと見られる。