キューバを「親米国家」に返り咲かせたいトランプ氏の思惑

 もう1つ気になるのが、米国民のレジェンド、故ケネディ元大統領(民主党)も達成できなかった、キューバの「親米国家返り咲き」を、共和党率いるトランプ氏が狙っているのではないかという見立てである。

 ケネディ氏と同列にレジェンドとしてアメリカ史に名を刻むとなれば、名声を求めるトランプ氏もまんざらではないだろう。

 冷戦の最中、革命で東側に組みしたキューバは、地理的に見てアメリカの「柔らかい脇腹に短剣を突き刺す」位置にある極めて重要な要衝だ。米本土とは一衣帯水の関係にあり、アメリカにとっては安全保障上危険この上ない。

 当時、米大統領のケネディ氏は打開のため、1961年、亡命キューバ人の武装部隊によるカストロ政権転覆作戦を行ったが、あえなく失敗する(ピッグス湾事件)。その後、1962年に旧ソ連による核ミサイルのキューバ搬入をきっかけに米ソが核戦争寸前まで対立し「キューバ危機」が勃発する。

キューバ危機にあたり、テレビ演説でキューバの海上封鎖を発表するケネディ元大統領(1962年10月22日、写真:ゲッティ/共同通信イメージズ)

 キューバは東西対立の絶妙なバランスの狭間で、何とか社会主義国として生き残り現在に至るが、冷戦終結後は戦略的価値も急速に薄れてしまう。だが近年は、中南米を睨む中ロの拠点として、再び存在価値が高まっているようだ。

 仮にトランプ氏が米中間選挙の今年11月以前に、キューバの“親米化”を実現すれば、米有権者へのアピール度は抜群で、共和党の大勝も夢ではないかもしれない。