公明は「自民党を割りたい」とさえ思っている?

 斉藤氏は15日、新党結成で合意した立憲の野田佳彦代表との党首会談の後「自民党と全面対決する党を作るつもりはない」と語った。斉藤氏の「自民党と全面対決しない」イメージも、連立離脱後ずいぶん喧伝されたが、それも誤った解釈だったようだ。

 斉藤氏はこう続けたのだ。

「自民党の中にも、中道改革の考え方に賛同してくださる方がたくさんおります。そういう方々と新しい日本の政治を作っていく」

 斉藤氏のメッセージは「自民党と全面対決せず、保守2大政党の一翼として協力することもある」という話では全くなかった。それどころかむしろ「高市政権に批判的な自民党の非主流派を、新党に引き込みたい」という意味が強かった。

 立憲関係者の1人はこう語る。

「『選挙で戦った後だと政党の移動は難しい。いっそ選挙前にこちらに来てはどうか』と声をかけている相手はいるようだ。ただ、自民党は派閥単位でないと大きな決断はできないので、選挙前の合流は難しいのではないか」

 要は、実現の可否はともかく「自民党を割りたい」という話のようなのだ。それを政界全体が「自民党との連携」と読み違え、さらに高市政権がそれを織り込んで衆院選における自民党の大勝を見込み、結果として冒頭解散の動きを早め、さらに「立憲・公明新党」の動きをも加速させたのではないか。

 以前から繰り返してきたが、世論調査の支持率を背景に野党陣営を「低迷」と評価して軽んじるのは間違いだと思う。

 現在の政治状況は「多党化」「2大政党政治の終わり」などでは断じてない。安倍政権時代の「自己都合解散」の繰り返しで「多弱」に追い込まれていた野党は、野党第1党の立憲民主党が小選挙区制という制度の恩恵も受け、衆院で確実に議席というリアルパワーを伸ばしてきた。

 今回の立憲と公明の合流がどれだけの規模でスタートするかは未定だが、自民党との議席差は、衆院の小選挙区制導入後に与野党が最も伯仲した2003年衆院選(自民党237、民主党177)に匹敵するレベルに達しそうだ。

「多党化」を振りかざしてきた人たちは、この現実をどう見るのだろうか。

 ともかく、高市首相は19日、ようやく自らの言葉で解散の意図を語る。この日は新党「中道改革連合」の綱領や基本政策なども明らかになるそうで、2大政治勢力によるガチンコの戦いが、事実上火ぶたを切る。まずはそれを見守ることとしたい。