「中小政党」の相手など面倒で仕方がない

 高い内閣支持率のせいで忘れられているが、高市政権は衆参両院とも少数与党という、自民党始まって以来の弱小政権としてスタートした。国会のリアルパワーの弱さ、つまり「議席の足りなさ」は、霞のような支持率で補完できるわけがない。

 長年の友党・公明党に連立から逃げられ、代わりに「連立」に引き込んだ日本維新の会は、閣僚を出さない「半身」の姿勢を崩さない。維新は自民党内にも反対論の強い「衆院の議員定数削減」に異様にこだわり、実現しなかった場合の連立離脱までちらつかせ、高市政権を悩ませた。

 連立入りへの強い意欲を隠さない国民民主党も同様だ。高市政権は国民民主党から「予算の年度内成立に協力する」との確約を得る代わりに、同党肝いりの「178万円の壁」問題でその主張を丸のみさせられた。それでも、国民民主党を新たな連立相手に迎えれば、政権運営は安定するし、維新のこともけん制できる。

 一部では「選挙後は不祥事続きの維新と手を切り、公明党や国民民主との連立組み直しも……」という自民党内の声まで報じられた。

 しかし国民民主党は、玉木雄一郎代表ら幹部は連立入りに前のめりだが、支持団体の連合がそれを許さない。玉木氏は結局連立入りを決めきれず、高市政権側をいら立たせた。

記者団の取材に応じる国民民主党の玉木代表=15日午後、国会(写真:共同通信社)

「安倍政権再び」を夢見る官邸チームは「安倍1強」のもと野党にも連立相手にも気を遣わず自由に権力を行使できた、楽な政権運営に慣れっこになっている。

 維新や国民民主など「たかが中小政党」(あえて言う)のご機嫌を取るのに腐心する政権運営など、面倒で仕方がない。そこへ「自民党が単独過半数をゆうに超える」との衆院選の情勢調査が舞い込んできたら……。

 高市首相が早期の解散・総選挙で自民党の単独過半数を確保し、自由な政権運営をしたい、という誘惑にかられても不思議はない。