2分12秒前にいた「山の名探偵」を大逆転

 青学大の絶対エース・黒田朝日。過去2大会は花の2区で強烈なインパクトを残している。前々回は区間歴代4位(当時)の1時間6分07秒で区間賞、前回は1時間5分44秒(区間3位)の区間新。いずれも7人抜きを演じて、連覇への流れを作った。

 今季は出雲6区で区間賞、全日本7区で区間賞・区間新。MARCH対抗戦10000mで青学大記録の27分37秒62でトップを飾っている。マラソンで2時間6分05秒の日本学生記録を保持しており、スピード、スタミナともに一級品。1年時は山候補に挙げられていたほど上りも強い。

 はたして5区でどれだけのタイムを残すのか。

 青学大は4区終了時でトップ中大と3分24秒差の5位。絶対エースは、「3分30秒差ならなんとかしてくれるでしょう」という原監督の期待通りの“大逆転”を見せることになる。

 黒田は「良くて3位くらいかな」とスタートしたが、「とにかく前にいくしかない」と攻め続けた。ほぼ同時に走り出した城西大・斎藤将也(4年)を序盤で引き離すと、9.7km付近で國學院大を抜いて3位に浮上。小涌園前(11.7km)は区間記録を1分上回るペースで通過した。

 傾斜が緩やかな12~13kmは驚異の3分04秒で走破。前回、区間2位(1時間9分31秒)の早大・工藤慎作(3年)にわずか1kmで19秒も詰め寄った。13.6km付近で中大を抜いて2位に上がると、芦之湯(15.8km)で工藤に5秒差まで迫り、19.2km付近で逆転。「最後の方は無我夢中で記憶がない」というなかで往路Vのゴールに飛び込んだ。

「なんとか往路優勝できてホッとしています。自分の実力以上のものを発揮できたと思っています。ここは声を大にして言いたい。僕がシン・山の神です!」と芦ノ湖では黒田の笑顔が弾けた。