BYDや浙江吉利だけではない、中国勢が世界を席巻
BYDや浙江吉利だけではなく、勢いのある中国の新興EVメーカーも国際化を進めている。筆者は25年7月、新興EVメーカーの一角、小鵬汽車(本社・広州市)を訪れた。14年に創業され、20年にはニューヨーク証券市場に上場も果たした。CEO(最高経営責任者)の何小鵬氏はIT企業の経営を経て小鵬汽車を創業した。
小鵬汽車本社(写真:2025年7月筆者撮影)
23年には独フォルクス―ワーゲンから7億ドルの出資を受け、戦略的な提携契約を結び、共同購買などを進めている。インドネシアにもノックダウン式の工場を設けた。米シリコンバレーなどにも開発拠点を持つ。
小鵬汽車はすでに30以上の世界・地域に進出しているが、25年末までに60以上を目指す計画で、33年までに販売台数の半分以上を海外で売ることを目標にしている。中近東やアジア太平洋、欧州が強化する市場と位置付けている。
小鵬汽車の24年の全販売台数は前年比34%増の19万台。このうちオランダやデンマーク、ノルウェーなど海外での販売が4万7000台だった。
小鵬汽車は、技術志向が強く、社員2万1000人のうち4割が研究開発に従事している。「我々が力を入れている分野は、AIカー、スマートカー、人型ロボット。グローバルに成長するAI企業になりたい」と説明した。
そして現在、力を入れているのが空飛ぶ車だ。大型のミニバンのような車の天井が開き、そこから電動式で垂直離着陸できる「eVTOL」が飛び立つ。充電が切れそうになれば、車に戻って再び充電できる。地上を走る空母をイメージして開発され、26年から発売予定だ。価格は200万元(約4400万円)。すでに中近東でプレオーダーが始まっているという。
中国政府はいま、高度1000メートル以下を物流や観光などに活用する「低空経済圏」の開拓を推進しているが、こうした流れにも沿っている。
中国車のグローバル戦略の強化は、完成車メーカーだけで成し遂げられるものではない。生産設備メーカーなども国際化を推進している。
