結局は国債依存となる122兆円の予算

 高市政権は2026年度の予算を過去最大となる122兆円規模とすることで調整を進めている。122兆円規模の予算は結局は国債に依存する。そうであるなら、国債費の膨張を抑制する観点からも金利上昇の抑制に努める必要がある。一方の財務省は、日銀の利上げや政府の積極財政を受けて、想定金利を3%と29年ぶりの高水準に設定した。

 高市早苗首相が唱える“責任ある積極財政”の趣旨は不透明だが、確かに積み増しが不可欠な歳出は存在する。例えば防衛費がそれに当たるが、米トランプ政権からの突き上げを考えれば、これは積み増さざるを得ない。国土強靭化もそうだ。上下水道に代表される老朽インフラを維持・更新しなければ、日々の経済・社会活動すらままならなくなる。

 こうした必要不可欠な歳出増に限るなら、高市首相が訴える“責任ある積極財政”というコンセプトは成立するだろう。

 今の日本財政に鑑みれば、減税や給付金などのバラマキを強化する余裕はない。ただでさえ“悪い金利上昇”が生じているのに、バラマキを押し出して国債の発行を増やせば、金融市場の評価はさらに厳しさを増す。

 そもそも物価高が問題なのに、減税や給付金などのバラマキを強化すれば、結局は需要が刺激されるため、物価高が長期化する。逆効果となる政策の元手を国債に頼るようでは、金融市場の評価が手厳しくなるのは当然だ。それこそ、大手格付け会社が格下げを断行すれば、国債の金利はさらに急騰し、企業や家計の資金繰りに悪影響が及ぶ。

 繰り返しとなるが、積み増しが不可欠な歳出があること自体は致し方がない。問題は、無い袖は振れないにもかかわらず、国債の発行に依存してバラマキを行うことにある。高市首相もそのことを意識してか、無責任な減税や国債の発行は控えると表明し始めているが、こうした姿勢を今後も堅持し、実行しないと金利はさらに急騰する。