公明党が2026年政局のカギを握る理由
与野党の再編によって、維新や国民民主党といった「ゆ党」たちがこぞって与党側に振り切り、連立を離脱した公明党が、彼らに変わってキャスティングボート的な立ち位置を得た。これから自民党は、「新与党」的立場の維新や国民民主党の揺さぶりに疲れ、かつての仲間であった公明党への郷愁が呼び覚まされる可能性がある。
いくら支持層の高齢化などで組織力が弱体化しているといっても、選挙における公明党の力は、今なお維新や国民民主とは比較にならないほど大きいだろうからだ。
ただ、現在の高市政権に熱狂している岩盤支持層は、穏健中道路線の公明党を疎ましく思っている。公明党の連立復帰があれば、彼らの支持離れにつながりかねず、高市政権には意外と高いハードルだ。
野党第1党の立憲民主党と、新たに野党となった公明党がどれだけ連携できるか、という要素もある。
自民党は公明党の斉藤鉄夫代表の地元である広島3区に党の公認候補を擁立する動きを見せているが、一方で立憲の野田佳彦代表は、広島3区での公認候補擁立見送りの可能性に言及した。
記者会見する立憲民主党の野田代表=12月19日午後、国会(写真:共同通信社)
これが全国的な候補者調整への布石となるなら、自民党としても心穏やかではないだろう。立憲はかつての「ゆ党」たちより立ち位置が近い公明党と、どれだけ強固な連携を保てるだろうか。
次期衆院選が近づけば、やがて公明党も、かつての維新や国民民主党のように、自らの立ち位置を明確にする選択を迫られる。その動向は高市政権以上に、2026年の政治に大きな影響を及ぼすかもしれない。




