数字にもしっかり表れている、広島県の古い性別役割分担意識の強さ
ひょっとして、ハイスペックのキャリア女性にありがちな「男も女も関係ない」みたいな考えの人なのだろうか――。周りは「女性初」とはやし立てるけれども、そして本人も「女性として」というフレーズを使うものの、今の時代を生きる女性の、世代それぞれの生きにくさを政治家として理解しているのだろうか。そのことが、知事選以来ずっと気になっていた。
広島県は固定的な性別役割分担意識が根強い土地だ。広島県が発表した最新の「男女共同参画に関する年次報告」を見ると、それは明らかだ。
「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」という考え方について、「賛成」「どちらかというと賛成」の合計が、男性でなんと44%に上り、全国の34%と比較して10ポイントも高い。
男性だけかと思いきや、女性も34%で全国よりも7ポイント近く高い。家事関連時間を県内男女で比較すると、女性は3時間29分で男性の56分よりも圧倒的に多くなっている。共働き世帯に限るとどういうわけかその差はさらに開き、女性4時間18分、男性48分となっている。
こういう土地では社会、特に政界で女性がトップに立つ光景はまれだ。地方のブロック都市間の比較で取り沙汰される「札仙広福」(札幌・仙台・広島・福岡の各市)の市議会で女性議員比率を見ても、広島は一番低い20%となっている。こういった現状を、副知事として横田氏は見てきたはずだ。