気がかりなメタの資金調達スキーム

 2008年のリーマンショックを題材にした著書『世紀の空売り』で有名なマイケル・バーリ氏は10月末からAI銘柄について懐疑的な投稿を続けている。

 バーリ氏とともにリーマンショックを予測したことで知られるレイ・ダリオ氏も20日に放映されたテレビ番組で「AIバブルの真っ只中にある」と述べた。ただし、「大恐慌が起きた1929年や2000年前後のITバブルの状態を100%だとすると、バブル崩壊のきっかけとなる要素がまだ現れていないため、現在は約80%の位置にある」とみており、AIバブルの崩壊はまだ起きていないとの認識だ。

 リーマンショックを的中させた両氏が危機感を抱くのには理由がある。

 現在のAIブームも2000年代の住宅ブームと同様、外部資金によって市場が急拡大したという共通点があるからだ。

 資金調達方法にも類似点がある。 

 AI関連企業はABS(資産担保証券)などいわゆる証券化の手法を用いて金融市場から資金を調達している。例えば、テック大手メタはルイジアナ州に設置する巨大データセンターの建設資金(約4兆7000億円)を調達するため、CMBS(商業用不動産担保証券)やSPV(特別目的事業体)などの金融手段を駆使している。

 2000年代にサブプライムローンの証券化によって巨大な住宅バブルが発生したときと似た状況が生じていると見ることもできるだろう。      

 気がかりな要素はまだある。