竜巻発生数が多い日本列島の地域

 日本では年間どれくらいの数の竜巻が発生しているのでしょうか。気象庁の「突風事例一覧」によると、2001年から2025年9月末までの約25年間に全国で発生した竜巻の総数は、海上竜巻も含めて1034件でしたので、年間平均約41件です。ただし、これには竜巻だったか、ダウンバーストだったかの区別がつかなかった5件と、竜巻の痕跡と判断できなかったものの、竜巻発生時によく見られる漏斗(ろうと)状の雲が確認できた109件が含まれています(以下同様)。

 都道府県別の竜巻発生数を見ると、多く発生する県と少ない県とでかなり差があります(図表2)。とくに発生数が突出して多いのが、日本の南端の沖縄県と、北端に位置する北海道です。今回、日本最大級の竜巻が発生した静岡は第9位でした。

【図表2】都道府県別竜巻発生数(2001年〜) 
“竜巻またはダウンバースト”と“竜巻または漏斗状の雲”の事例を含む 出典:気象庁「突風事例一覧」より作成

 竜巻発生数の上位を見ると、日本海側に多い傾向が見られます。逆に、盆地地形や瀬戸内海沿岸地域で竜巻発生数が少なくなっています。これらの理由については後述します。

 なお、広島県での発生数が0になっていますが。これはあくまでも2001年以降のデータであり、それ以前には少数ですが複数回発生しています。