ヤンキースはもはや目的地ではない?
そんな名門球団だが、田中投手が退団した20年以降、ヤンキースでプレーした日本選手はいない(※マイナー契約を除く)。
ヤンキースに代わって、日本に距離的にも近く、気候も温暖な西海岸のチームが日本選手の移籍先として台頭。筆頭格がドジャースで、2025年に大谷選手と山本投手を同時に獲得すると、翌2026年には佐々木朗希投手も加入した。
最近は、日本に距離的にも近く気候の温暖な西海岸が移籍先として人気に。写真はドジャース優勝セレモニーの大谷翔平選手(写真:ZUMA Press/アフロ)
実際、日本選手が今季に在籍した球団は、3人のドジャースを筆頭に8球団で、地区別の最多はドジャース、パドレス、エンゼルスが位置する西地区だった。
もちろん、地理的要因だけに限らず、チームの編成方針などに左右される点もあるが、少なくとも佐々木投手の争奪戦では、ヤンキースは面談したが“落選”している。
野球専門メディア「Full-Count」は10月21日付記事で、米スポーツ専門誌「スポーツ・イラストレイテッド」の記者が「日本のスター選手たちは、もはやヤンキースを目的地とは見なしていない」と報じたことを紹介している。
日本選手の獲得レースで苦戦が続くヤンキースだが、今年3月にテレビ朝日の「報道ステーション」が特集を組んだ際には、プロスカウトディレクターのマット・デイリー氏がスカウトを日本に常駐させているとした上で、数年以内にドジャースのように3人の日本選手を獲得することを掲げ、「日本野球との関係性を継続していきたい」と語っている。
もちろん、ニーズが高まる村上、岡本、今井のような日本のトップ選手には多くの球団が食指を伸ばすだろう。読売が紹介したMLB公式サイトの記事では、村上選手に適合する可能性のある球団にはヤンキースのほかに、西海岸のドジャース、マリナーズが挙がり、岡本選手もカブス、メッツが挙がっている。