大谷翔平選手は、2026年3月開催のWBCに出場することを表明した。写真は、前回のWBC決勝戦でアメリカを破った後、喜ぶ大谷選手(写真:AP/アフロ)
(田中 充:尚美学園大学スポーツマネジメント学部准教授)
メジャーリーグ、ドジャースの大谷翔平選手が、2026年3月の第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場することが決まった。
大会2連覇を狙う日本代表「侍ジャパン」には大きなプラスとなり、メディアも大々的に歓迎ムードで伝えた。大谷選手の出場表明によって、メジャーでプレーする他の日本選手の代表入りへ波及効果を期待する報道も相次ぐ。
スポーツ紙のスタメン予想では、投打の主力をメジャー組が占める。ただ、日本サッカーが「いつか来た道」で、国内リーグの注目度低下を招きかねない。加えて、次回大会からは準々決勝から米国開催となり、地上波中継もなくなる。
WBCは、このままでは日本から遠い存在となってしまわないか。
大谷選手、WBC出場の影響力
メジャーリーグとメジャーリーグ選手会でつくるWBCIが主催するWBCは、2006年の第1回大会から20年の月日を経て、大会の認知度、注目度が高まり、日本に限らず、現役メジャーのスター選手の出場機会が増えてきた。
次回大会の米国代表では、ヤンキースのアーロン・ジャッジ選手が主将を務めるなど、続々と各国代表にスター選手の名前が並ぶ。これは、メジャーリーグで30球団が覇権を争うワールドシリーズとは違う、国・地域別の世界一を争う大会の価値が浸透していることを意味する。
シーズン開幕前の春先に行われるWBCで懸念されるのは、選手が例年よりも調整を早めることなどによるケガのリスクだ。このため、WBCIは、出場チームから提出された選手リストから、所属チーム、選手、代理人らと調整を進めている。
こうした中で、大谷選手の出場が決まったことは、日本にとって戦力的にも盛り上がり的にも大きい。