今季のセ・リーグは、阪神が前半戦で独走態勢に入っている。写真はDeNAに勝利し、選手とタッチを交わす阪神の藤川監督(左、写真:共同通信)
(田中 充:尚美学園大学スポーツマネジメント学部准教授)
プロ野球は7月26日から、レギュラーシーズンの後半戦が始まる。今季のセ・リーグは、阪神が前半戦で2位のDeNAに9.5差をつける独走態勢に入り、2年ぶりのリーグ優勝へまい進する。
こうなってくると、議論が再燃してもおかしくないのが、レギュラーシーズン後に行われるプレーオフのクライマックスシリーズ(CS)のあり方だ。現行ルールでは、優勝チームが日本シリーズ進出をかけて2、3位のチームの勝者と戦うCSファイナルステージのアドバンテージは1勝と全試合のホーム開催。
CSは、3位までのチームに日本シリーズ進出の可能性があるため、優勝が決まった後のシーズン終盤も“消化試合”を減らすことができる興行面のメリットがある。一方で、短期決戦で1位チームが負けた場合、レギュラーシーズン優勝の価値が損なわれるという否定的な意見も多い。
「CS不要論」とまでは言わなくても、2位以下を大きく引き離して優勝した場合のアドバンテージを2勝にするなどのルール変更案は球界関係者から根強くある。
不安要素なしで突き進む阪神
阪神の前半戦の成績は53勝35敗2分け。貯金を「18」まで積み上げた。勢いそのままに、7月23、24日のオールスターには、ファン投票で両リーグトップとなった森下翔太選手をはじめ、チーム別で12球団最多9選手を送り出した。
セ・リーグの他球団は2位のDeNA以下、昨季覇者で3位の巨人など5球団すべてが勝率5割を切っている。阪神は投打が充実してかみ合い、今季から指揮を執る藤川球児監督の采配も評価が高く、現状では不安要素は見当たらない。
ただし、まだ気が早いものの、どれだけ大差で優勝しても日本シリーズに進出するにはCSを突破することが必要になる。プロ野球のプレーオフは、2位と3位のチームがまずCSファーストステージ(3戦制)で戦い、優勝チームはファーストステージの勝者と日本シリーズをかけてCSファイナルステージ(最大6試合制で4戦先勝)を戦う。
現在のCSは2007年からセ・パで同時導入(※2004~2006年はパ・リーグのみによるプレーオフを実施)され、2008年からシーズン優勝チームにアドバンテージ1勝が付与されるようになっている。
