10月9日、フィリーズとの地区シリーズ第4戦で8回から登板し快投を見せたドジャースの佐々木朗希(写真:Imagn/ロイター/アフロ)
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 10月に入り、日米のプロ野球はポストシーズンに突入した。筆者が毎年痛感するのは、MLBのポストシーズンの盛り上げ方のうまさだ。それに比べるとNPBは「悠長」という感を禁じ得ない。

「日程消化」重視のMLB

 今年でいうと。MLBは9月28日にペナントレースの全日程が終了し、1日置いた9月30日から、両リーグ3地区の2位以下の勝率上位3チームと、優勝した3チームのうち最も勝率が低かったチームによる2勝先勝の「ワイルドカードシリーズ」が始まった。ナ・リーグではドジャースが大谷翔平、山本由伸、佐々木朗希の活躍でレッズを退けた。

 さらに1日空けて、10月4日から地区シリーズが始まった。地区シリーズ第4戦では佐々木朗希が3回をパーフェクトに抑え、フィリーズを破った。ファンは大歓声を送った。

 これに対しNPBは10月5日までペナントレースを行ったのち、ポストシーズンの最初のステージであるクライマックスシリーズのファーストステージ(CS1)が始まるのは10月11日、中5日も試合がない日があったのだ。

NPBのCS1の舞台となるエスコンフィールドHokkaido(筆者撮影)

 MLBに比べ、NPBにはなんとも間延びした印象を受ける。

 日米のポストシーズンの日程の大きな違いは、元をたどればペナントレースの試合の組み方の違いに端を発している。

 今年のMLBは3月18日に東京でカブスとドジャースの開幕シリーズがあったが、それを除くとMLBの開幕日は3月20日、NPBの開幕は3月28日。MLBは192日間で各チーム162試合を消化した。NPBは191日間で143試合を消化した。

 MLBは全日程の84.4%の日に試合があった。NPBは74.9%、試合日程の密度が大きく違う。NPBからMLBに行った選手はまずこの「スケジュールの過密さ」に戸惑うと言われている。

 MLBの場合、機構が「ポストシーズン開始日の2日前に全日程を終了させる」と決めている。雨などでそれまでに消化できなかった試合は、順位やポストシーズンに影響がなければ最終戦を中止(未実施)とすることがある(影響がある場合はダブルヘッダー等で完了を優先する)。