CS開始前に一度“窯の火が消える”状態に

 今季でいえば、セの優勝チーム阪神は10月2日に最終戦を行ったが、CS2は10月15日から始まるので13日間もブランクになる。パの優勝チームソフトバンクは10月5日が最終戦だったが、それでも10日間のブランクだ。

NPBのCS2の舞台となるみずほPayPayドーム(筆者撮影)

 阪神、ソフトバンクともにこの期間に選手の「試合感覚」を鈍らせないために、本来は教育リーグの「宮﨑フェニックスリーグ」に主力選手を派遣しているがチーム関係者は「それでもチームはいったん『窯の火が消えた』状態になる。CS1を勝ち上がってきて勢いがあるチームに圧倒されることもある」と語る。

 昨年、セ・リーグ優勝の巨人が、CS1で阪神を下して勝ち上がってきた3位DeNAにCS2で4勝3敗で負けたのはその好例だ。優勝チームの巨人はアドバンテージの1勝をオンされていたが、それでも勝つことができなかった。

 この間延びした日程については、毎年のように「改善すべき」という意見が出るが、NPB機構は一向に動こうとしない。

 筆者は、そもそもペナントレースの日程を見直すべきではないかと思う。

 MLBでは「日程消化」が、非常に重要視される。ペナントレースの期間中、どの日付で切っても30球団の消化試合数は1~2試合程度しか違わない。引き分けがないこともあって、MLBのリーグ順位表は、勝利数と勝率がほぼ一致している。

 NPBの場合、特に屋外球場を本拠に持つ球団の試合消化が遅れる傾向にあり、順位表を見ても消化試合数に大きな差があって、順位がはっきり分からないことがある。屋外球場を本拠地にする球団は、常に未消化の試合を抱えるリスクがある。

 前述したように、今は未消化試合を秋にまわしているが、台風の季節に差し掛かることも多い。

 この日程が、大混乱を引き起こしたのが、夏以降に天候不順が続いた2018年だ。