ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平。WBC出場を表明したが、二刀流は解禁されるのか(写真:共同通信社)
来春3月開催の第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)はもはや“国際野球大会”という枠を超え、各国が威信を賭けた“地政学的戦場”と化しつつある。
米国代表はア・リーグ首位打者&MVPのアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)、ア・リーグ本塁打王のカル・ローリー(シアトル・マリナーズ)、サイ・ヤング賞右腕のポール・スキーンズ(ピッツバーグ・パイレーツ)ら超弩級メジャーリーガーの参戦で史上最強レベルの布陣を構築。
ベネズエラもロナルド・アクーニャJr.(アトランタ・ブレーブス)の参戦表明で戦力値を引き上げ、ドミニカ共和国、プエルトリコも国家ブランド化した最強軍団を形成する気配を見せている。
この野球版軍拡競争のただ中で、日本代表・侍ジャパンは連覇を賭けて国際戦に挑む。しかし、その命運を左右する核心は、結局のところひとりの選手――大谷翔平(ロサンゼルス・ドジャース)の起用法に集約される。
WBCへの参加を表明した大谷、侍ジャパンはどう起用するか
開幕100日前、大谷が自身の意思でWBC参加を表明したことで、日本国内には安堵の空気が流れた。しかしその瞬間から、新たな政治戦が静かに幕を開けている。
大谷をどう使うか――投げさせるのか、打たせるのか、それとも二刀流か。
この主導権をめぐって、侍ジャパンと大谷の所属球団であるロサンゼルス・ドジャースの間に、極めて繊細かつ複雑な力学が働き始めている。
