かつてLAのフロントオフィスで働いていた経歴を持つドジャース球団OBの言葉は重い。
「ドジャースが大谷以上に慎重であるべき選手がいるとすれば、それは山本と佐々木だ。ドジャースが一線を引こうとしているのは明白だ」
侍ジャパンが望む“ドジャース日本人トリオの揃い踏み”は、現段階では絵に描いた餅の可能性すらある。
ワールドシリーズ制覇で見られたこの3人揃っての笑顔は来年のWBCでは拝めないのか(写真:AP/アフロ)
WBCはもはや国の威信を賭けた戦い
ただ、日本側もただ指をくわえながら静観しているわけではない。
東京ラウンドの大会運営に深く関わる大手メディア、日本のスポーツビジネスを動かす大手広告代理店が水面下で“決死の調整”を行っているようだ。そして特に大谷と長年、近い距離にある大手広告代理店所属の“影の日本人敏腕コーディネーター”らが水面下で奔走しているという。
目的はただひとつ。「大谷を、一次ラウンドから二刀流で使う」――その一点の死守だ。この人物は山本、佐々木からも絶大な信頼を得ているとも言われ、侍ジャパンの戦力確保に必要な調整を粘り強く進めている。
あるNPB関係者はこう語る。
「侍ジャパンは今、国家代表チームであると同時に、スポーツビジネスの巨大ブランドでもある。ドジャースのワールドシリーズ制覇で大きく盛り上がったにもかかわらず、次の球春到来のタイミングで大谷が東京ラウンド不参加となれば、日本国内におけるWBCの価値は一気に下がりかねない」
これは単なるスポーツの問題ではなく「国の看板」を巡る競争なのだ。
2023年3月、 WBC決勝前のセレモニーで日の丸を手に入場する大谷翔平=マイアミ(写真:共同通信社)