比例票がピークから4割減、「存亡の危機」に

 政権離脱後の公明党は今後、どんな政治を展開するのでしょうか。

 党員数は約45万人、地方議員は約2580人。依然として大きな組織です。ただ、党勢に陰りが見えていることも確かです。

 ことし7月の参院選では、比例票が前回より100万票少ない521万票。目標としていた700万票には遠く及ばず、ピークだった2004年の862万票から4割も減りました。創価学会員の高齢化による政治活動の停滞などが影響しているとされ、議席数は改選前の14から過去最少の8にまで減ってしまったのです。そして、その選挙結果を総括するなかで、公明党は自らを「存亡の危機にある」と結論付けました。

 今回の自公連立解消の背景には、「政治とカネの問題で煮え切らない自民党に付き合っていると、公明党の勢力はますます衰える」という危機感が横たわっているとも言えるのです。

フロントラインプレス
「誰も知らない世界を 誰もが知る世界に」を掲げる取材記者グループ(代表=高田昌幸・東京都市大学メディア情報学部教授)。2019年に合同会社を設立し、正式に発足。調査報道や手触り感のあるルポを軸に、新しいかたちでニュースを世に送り出す。取材記者や写真家、研究者ら約30人が参加。調査報道については主に「スローニュース」で、ルポや深掘り記事は主に「Yahoo!ニュース オリジナル特集」で発表。その他、東洋経済オンラインなど国内主要メディアでも記事を発表している。