「青母連は田中に任せようと考えていたのに」

──この事務所も借りられなくなりますね。

玄:そうです。6階はすでに解約しました。2階も間もなく解約です。6月からパートさんも1人ずつ、ひとまず辞めていただいています。申し訳ありませんが、お給料が払えなくなるので。息の根が止まるのを待つよりしょうがない。

 また、警察にPCを持っていかれてしまい、そのPCで逮捕された田中がHPの管理をしていたのでHPの更新もできません。こういう事件がありましたという報告も、謝罪も掲載できないのです。

 そのPCに会員の情報も入っているので皆さんに連絡もできない。私が自分のフェイスブックに状況を書いているだけです。心苦しいですよ。

──田中容疑者が逮捕されたのは5月18日です。彼は共同代表に就任した1カ月後に逮捕されたのですね。

玄:そうです。もう解任しましたけれどね。

「一般社団法人青母連」「公益社団法人日本駆け込み寺」「一般社団法人再チャレンジ支援機構」の3つが、私たちが運営している団体です。それを、私と共同代表の清水葵と、今回事件を起こした元事務局長の田中芳秀の3人で管理してきました。その下に3人ほどのパートさんがおり、ボランティアの方々の参加もあります。

 私は2年計画で、青母連と日本駆け込み寺を田中と清水に任せようと考えていました。1年目は私と共同代表で、2年目からは2人を代表にしていこうと。

 その後、2025年3月21日に皆の役職を一新し、私と田中が青母連の共同代表に、私と清水が日本駆け込み寺の共同代表になるという覚書を書きました。4月4日に登記したのです。契約書も作ったし、2人に今後支払う給料も合意のもとに決めました。

 今回の逮捕では「日本駆け込み寺の事件」という見出しで報じられましたが、正確には「青母連」の共同代表の事件です。

──幅広い活動をされていますが、あらためて活動の内容を教えてください。

玄:日本駆け込み寺はDV、ストーカー、家出、自殺、借金問題などの相談と対応。一方の青母連は悪質ホスト問題(ホストの高額請求問題)への対応です。再チャレンジ支援機構は、刑務所から出てきた人たちが安全に社会復帰を果たしていくための支援です。

 青母連では、ホスト問題の対応と被害者の支援に入りました。年間700件ほどになっていると思います。法改正にも深く携わり、1年10カ月、国会にも何度も行きました。