中に入ると、首脳らが使った円卓や椅子、お土産品などをありがたく見物することができる。次回のG7サミット日本開催年となる2030年の年初までと、設置期間が限定されている。

 整備費5000万円をかけて建てられた施設の運営費は1900万円。それぞれ広島県と広島市で折半するという。

G7広島サミット記念館内部。首脳らが使った円卓と椅子が展示されている

G7サミットで首脳らが植樹したソメイヨシノ、年間46万円をかけてALSOKが警備

 また、平和記念公園内を西方向へ歩くと、園路の脇に柵で囲まれた幼木がある。緑豊かな公園内にはたくさんの木々があるが、この幼木だけは周りに囲いがしてあり、警備会社ALSOKのシールが貼られている。

G7首脳たちが植樹したソメイヨシノ
G7首脳らが植樹したソメイヨシノ。柵にはALSOKの標識が。策には赤外線センサーが設置されている。後方は原爆慰霊碑

 これは、サミット開催中の2023年5月19日、ホストとして議長を務めた岸田文雄首相やアメリカのバイデン大統領(いずれも当時)らサミットに参加した首脳らが植樹したソメイヨシノだ。広島市役所前の被爆樹木のソメイヨシノ(通称は被爆桜)から採取した枝を接ぎ木して育てたものだ。

 囲った柵には赤外線センサーが設置されており、管理を担当する広島市緑政課によると、年間46万円の警備費がかかっているという。木が成長してしっかり根付くまでの措置ではあるが、この木のみ「特別扱い」をして厳重な警備を敷いている理由は、「各国の首脳が集まって植樹をしたもので、もう一度というわけにはなかなかいかないため」と説明している。