merchu強制捜査で跳ね上がる“事件化”の熱量

 さらに重大なのは、県議会百条委員会が斎藤知事のパワハラや内部告発者への違法対応を認定したにもかかわらず、斎藤知事がこれを実質的に無視していることです。どうしてこうなった。法的拘束力の弱さに乗じたこの態度は、法治主義の観点から見ても深刻な問題と言えるでしょう。

 もともと折田さんは兵庫県西宮市を拠点に活動し、広島市など複数の自治体からSNS運用業務を受注してきた実績を持つPR会社の社長でした。周辺でも「いい仕事をしてくれたし、悪い評判はなかった」という証言も出ているぐらい、折田さんも真面目にやってたんじゃないかと思うんですよ。

 しかし、前述の通り任意の聴取に応じず、資料提出にも十分協力しなかったため、捜査当局は強制捜査に踏み切ったとされています。

 この手の話ではあるあるではありますが、当局に協力しないということは、通常は「よほどのえらい人」か「協力したら大変なことになる」かのいずれかですから、斎藤さんの百条委員会の認定無視と同様に、事件化に向けた動きとしては熱量が上がらざるを得ません。

 立花孝志さんによる斎藤元彦さんとの二馬力問題も、さらには大津綾香さんほかNHK党にまつわる各種問題も、まずこの問題を片づけてからになるとも思われるので、ここから先がなかなか大変です。家宅捜索後、折田さんは公の場から姿を消し、事業活動も縮小している状況です。

 一方、NHK党党首の立花孝志さんは、2022年1月に東京地裁でNHKへの威力業務妨害や不正競争防止法違反などの罪で懲役2年6カ月、執行猶予4年の判決を受けました。この判決は2023年3月に最高裁で上告が棄却され確定しています。つまり、立花さんは現在、執行猶予期間中(2027年3月までとみられる)という立場にあるのです。