立花孝志さんを取り巻く協力者ネットワーク
立花さんの周辺には、弁護士の福永活也さん、自称ジャーナリストの新田哲史さんなど「風評」拡散に関わる協力者が集まっています。
福永さんは「誹謗中傷示談金ビジネス」と批判される活動で知られ、過去には伊東春香(はあちゅう)裁判で秘書なりすまし不当訴訟を起こすなど、問題行為が指摘されています。山口三尊さんにより福永さんへの綱紀委員会が通っており、ややこしいことになっておるわけです。
さらに注目すべきは、NHK党に所属する齋藤健一郎参議院議員の公設秘書を実業家の堀江貴文さんが務めているという異例の構図です。
堀江さんは自身のイベントでNHK党をPRする立花さんを登壇させるなど、実質的に一体とみられるような活動を繰り返ししています。もともと堀江さんの秘書だった齋藤さんの秘書を堀江さんが務めるという逆転した関係は、NHK党の政治的正統性に疑問を投げかけるものです。
6月22日に都議選、7月に参院選という重要選挙を控えた今、法的・倫理的問題が放置されている事態は極めて憂慮すべきです。この状況が示すのは、日本の政治における法的・倫理的規範の形骸化です。
これは倫理の問題ではなく、法的制裁や社会的批判が機能不全に陥り、無法状態が常態化しつつあることを示唆するものです。警察庁・警視庁や兵庫県警、神戸地裁など、関係当局の時宜を見た適切な判断を早期に下す必要があることは言うまでもありません。
どうしてこうなった、としか言いようのない事態ですが、結果的に、そのような存在にまでなってしまった立花さんを支援したり、消極的に反対するだけで結果的に放置することになってしまったりしたネット社会の側にも一定の責任があるのではないかとも思います。
【訂正履歴】(2025/5/9/21:55)
本文中にある懲戒処分は綱紀委員会の誤りでした。お詫びして訂正いたします。
山本 一郎(やまもと・いちろう)
個人投資家、作家
1973年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒。東京大学政策ビジョン研究センター客員研究員を経て、情報法制研究所・事務局次長、上席研究員として、社会調査や統計分析にも従事。IT技術関連のコンサルティングや知的財産権管理、コンテンツの企画・制作に携わる一方、高齢社会研究や時事問題の状況調査も。日経ビジネス、文春オンライン、みんなの介護、こどものミライなど多くの媒体に執筆し、『ネットビジネスの終わり(Voice select)』『情報革命バブルの崩壊 (文春新書)』『ズレずに生き抜く 仕事も結婚も人生も、パフォーマンスを上げる自己改革』など著書多数。
Twitter:@Ichiro_leadoff
『ネットビジネスの終わり』(Voice select)
『情報革命バブルの崩壊』 (文春新書)
『ズレずに生き抜く 仕事も結婚も人生も、パフォーマンスを上げる自己改革』(文藝春秋)