「米国を再び偉大にする」という空想に協力する義務はない

 バラク・オバマ大統領のスピーチライターだったベン・ローズ氏は米紙ニューヨーク・タイムズ(4月27日付)に「100日。米国を世界から切り離すのにかかった時間だ。他の国は『米国を再び偉大にする』という空想を実現するために協力する義務はない」と寄稿している。

「トランプ氏は米国を世界から体系的に切り離している。単なる外交政策の転換ではない。英国の欧州連合(EU)離脱とは比べ物にならないほど包括的な『離婚』だ。米国は同盟国を敵対国のように扱い、保健や気候変動といった根本問題に関する国際合意から撤退した」

 適正な手続きなしに移民を強制送還し、難民の受け入れを禁止、出生による市民権を廃止しようとしている。関税は国際貿易のシステムを崩壊させ、あらゆる国との取引に新たな障壁を築いた。海外援助はほぼ廃止され、研究費削減は科学研究の国際協力を後退させた。

「米国の強さは支配者に定義されることを拒み、未来を恐れない人々から成る点にあった。世界から隔絶する反動的な政治を続けるなら、文明の進歩は米国を置き去りにし、恐怖に満ち、弱体化し、貧困化した場所に追いやるだろう」とローズ氏は締めくくる。